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水押しが強いクランク(主にアメリカ製)が昨年辺りからメディアでもよく紹介されていますが、私も2年前の琵琶湖釣行でその重要性に気づきコラム「水噛み良い潜り系プラグ」でも紹介しました(手前味噌ですが)。最近のメディアで紹介されている内容を見ると「水押しが強い」とよく言われています。
「水押しが強い」と聞くとみなさんは一般的なルアーと比較してどう違うと感じますか?
「そんなの水流でのアピールが強いルアーに決まってるだろ」と聞こえてきそうですが、私はここに落とし穴があると思います。

確かに一般的なルアーと水押しが強いルアーを同じ速度で引けば、水押しが強いルアーの方が水流でのアピールは強いでしょう。言葉のイメージのままにそのように使ってる方も多いのではないでしょうか。しかしその速度が水押しが強いルアーの真に有効な引き速度かというと私は違うと思うのです。

一般的なルアーを引くようにグリグリ、リールを巻いているとかなり激しい動きでかなりの量の水を動かします。そんな激しい動きが本当に昨今のスレたフィールドで有効でしょうか?バスがスプークしてしまわないでしょうか?
「その動きが最近のリアル志向のルアーと違って良いんだよ」という意見もあるでしょうし、否定もしません。ただ私はその使い方よりもっと有効な使い方があると思います。

ではどのように使うかという話になりますが、私はスローに引くのが効果的だと思っています。水押しが強い分、スローに引いても一般的なルアーと同程度のアピールはできます。このアピール度を落とさずスローに使えるといったことが最大の利点ではないかと思うのです。

ではスローに引ける利点は何があるでしょうか?
これは言うに及ばずでしょう。ほとんどの人が言葉こそ違うかもしれませんが、「活性が低いとき」、「濁りが強いとき」、「荒れているとき」、「光量が少ないとき」など、バスがルアーを追いきれないときやルアーに気づきにくい要素があるときと答えるでしょう。スローに引ける利点はその他多くのシチュエーションがあると思います。

余談ですがこの水押しの強さというのは水の透明度とは関係ない要素です。マッディだろうとクリアだろうと動かす水の量に違いはありません。ただ人間側が「マッディだから視覚で捉えられない分、動きでのアピールを強くしなければ」と考えがちなのです。しかしマッディこそ視覚に頼れないバスが研ぎ澄まされた側線でクリアウォータのバス以上に敏感に感じているはずなのです。
もちろんビッグレイクのウィードエリアを広く探るケースや荒れた状況などではルアーの存在感を出すためにそれが正解となるケースもあると思います。しかしバスがスレればスレるほど、湖面が静かであればあるほど、「強い動き」には反応が薄になることは否めませんし、例え存在感を出したいケースでもさっと通り過ぎてしまうルアーよりスローに引く方が効果的なケースは多いのではないでしょうか(この辺はバランスが大切です)。

いかなるときもスローに引くことが正解とは言いませんし、引く速度も単純にスローと普通と2種類ではありません。その日そのときの状況により異なりますが、「水押しが強いルアー」=「存在感のあるルアー」とだけ捉えるのではなく、「ゆっくり引けるルアー」でもあるということを考慮に入れて使ってみるとより一層対応できる状況が増えるのではないでしょうか。



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