最近発売される小型スピナーベイトにチタニウム形状記憶ワイヤが採用されています。代表的なものにジャッカルのイラプション、メガバスのバレットシャッドがあります。
このチタニウム形状記憶ワイヤとはどんなものなのでしょうか?。何故、小型スピナベに採用されるのでしょうか?。 みなさんV3ミッジやSR-MINI、SPIN@HEADなどの小型スピナベを使っていてバイブレーションが足りないと感じたことはありませんか?。シングルコロラドにすれば解消されますが、フォールに時間がかかったりフラッシング効果が足りなくなったりと自分のイメージと違ってしまい、もっとワイヤーを細くすれば良いのにと思ったことありませんか?。 従来の小型スピナベは構成パーツやシルエットこそ小さいのですがワイヤは普通サイズのスピナベと同じものが使われていました。当然、ワイヤを細くすればするほどヘッドのバイブレーションは激しくなりますが、細くすればただでさえ折れやすいスピナベのワイヤがさらに折れやすくなり、性能重視、強度度外視のD-ZONE(小型ではありませんが)以外は採用していませんでした。 そこでチタニウム形状記憶ワイヤです。チタニウムについてはみなさんご存知ですよね。普通チタンと言われますが、強くて硬くて錆びない素材で強いため従来の素材と同じ物を同じ強度で作る場合、小さく軽く作ることができます。一番おなじみはガイドですよね。 形状記憶についてはチタンでワイヤを作るとそうなるのか、それとも形状記憶素材を複合していたりするのか何なのか分かりませんが、実際触ってみると確かに形状記憶です。かなり極端に曲げても手を離せば元通りになります。 この2つの性質のためスピナベのワイヤを細くし、強バイブレーション高強度の小型スピナベを作ることができるのです。 細いワイヤを採用したことによりイラプションは切れの良い薄くて軽いブレードなのにもかかわらず、ヘッドのバイブレーションはかなり強いです。そして曲げても曲げても元に戻るワイヤ、コンパクトで重いタングステンヘッドと非常に使いやすい小型スピナベに仕上がっています。ジャッカルの回し者ではありませんが非常にお勧めです。 余談ですが私は飛びとバイブレーションの更なる強化目的でイラプション1/2ozをハイドロブレードのシングルウィロー化しようと思ったのですが、普通にフロントを外してリアをハイドロ化するとブレードが後ろになりすぎてバランスが悪そうだったので、ワイヤを短くすることにしました。 そこでニッパーでワイヤをカットし、ワイヤ取り付けアイを作ろうとラジオペンチでワイヤを丸めようとしたのですが、このチタニウム形状記憶ワイヤはなかなか思ったように曲がりません。結局丸くなる前に折れてしまってそれを繰り返しているうちにワイヤが短くなりすぎてしまい使い物にならなくなってしまいました。 ワイヤを熱しながらやればいいのかもしれませんが、みなさん、チタニウム形状記憶ワイヤにはこの手のチューニングは諦めた方が無難ですよ。
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ショップに行くとバス釣り用のプラグの数は星の数ほどありますよね。でもその中で釣れるプラグはというとほんの一握りでしょう。バスという魚の性質上釣れないプラグはありません。ですがあきらかに良く釣れるプラグというのは存在します。
ではどのようなアクションをするプラグが釣れるのでしょうか。 最近のプラグにはバイブレーションなど一部を除いて決まって重心移動、タングステンウェイトといった使いやすさを重視した装備が施され、また精度の高いボディにより、製品のバラツキがなく非常に完成度が高いです。釣れるルアーといわれるメガバスやエバーグリーンなどがこの手のルアーの筆頭ですね。 それとは逆に昔からある洋物ルアーは最近の日本製と異なり作りが雑で製品によるバラツキも見受けられ、「使えれば良い」というような思想で作られています。ですがだからといって釣れないということではありません。昔から生き残っているのはまさしく釣れるからに他なりません。シャドラップ、モデルA、ウィグルワートなどなど釣れる洋物ルアーは数多くあります。 釣れるアクションはきっちり規則正しく泳ぐことが条件だったり、イレギュラーな動きをすることが重要だったり、タイプやシチュエーションによって変わってきますが、共通して言えることは規則正しい泳ぎの中の不規則な乱れではないでしょうか。そしてこの状態を誰が使っても自動的に演じるルアーが釣れるルアーだと思います。普通に考えるとただ巻きでは規則正しく泳ぎ、障害物に当った時にイレギュラーにヒラを打つルアーといえるでしょう。このヒラウチを障害物のないところで意図的に起こすことができるジャークベイトというルアーがありますが、これはロッド操作で起こすこともあり、本当の意味でのヒラウチにはなりません。厳密に言うヒラウチを障害物やボトムにノックさせずに何もないところで起こすことは普通は不可能ですが、一つだけできるものがあります。 それは...バランスの悪いルアーです。 言い換えると水を受け流すのが下手なルアーです。これは先に挙げたような昔から生き残っているルアーがもしかしたらこの手のルアーかも知れませんし、元々そういう製品はないかもしれません。 どういうことかというと製品のバラツキからくる半不良品がバランスが悪く釣れるルアーではないかということです。 私がこれに気づくきっかけになったのは2つの殿堂入りルアーの共通点を考えていた時でした。 1つは10年以上前に買った無名メーカのクランクでダイビングキラーBというバグリーのルアーのパクリルアーです。このルアーはダイビングキラーBの最も小さいサイズより一回り小さく、本物がバルサ製のところをウッドで作られていました。パクリルアーのせいか非常にバランスが悪く、つんのめるようなアクションで使っていると自然とバランスを崩すルアーでした。これはいくらアイのトゥルーチューンをしても直らなかったのですが、不思議と釣れるルアーで何もない護岸された岸から沖に向かって投げているだけで(恥ずかしながらの昔話)、サイズは小さいですが良く釣れました。トゥルーチューンをしても直らないというのは基本的にはまっすぐ泳ぐのですが、右に出たり左に出たり不規則でアイをどちらに曲げても治らない状態のことをいいます。 もう1つの殿堂入りルアーはVIBRATION-X[BAF]です。使い始めたころは回りのボートで全く釣れていない状況でサイズは小さいのですが入れ食いになったりしたこともあり、気に入って使っていたのですがいつの間にかボディ側面が直射日光か何かで大きく凹んでしまい、これも同じく、いくらアイのトゥルーチューンをしても直らないルアーになってしまいました。しかしそれ以来、デカバスが釣れるようになり、自己最大の53cmを釣ったときに殿堂入りさせました。今では新しい別のものを使ってますが、大きいのが釣れていないのはもしかしたら側面の凹みがないのが原因かも?と密かに考えています。 このように半不良品というのは最近の日本製にはまずないですが、洋物ルアーには製品のバラツキで斜めに浮いたり、ラトルが引っかかるものや接合がずれていたりするものがあったりします。このようなものを押入れにしまい込んでしまうのではなく、よくよくその動きを観察して使い込んでみたりすると、思わぬ爆釣ルアーに化けるかもしれませんので、みなさんもそんなルアーを買ってしまったらしばらく使ってみては如何でしょうか?。ラトルが引っかかるものなんてちょっと考えただけでも素敵ですね。
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