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FishingToBassing
みなさんは「FishingToBassing」というフィッシングビデオシリーズをご存知でしょうか?。下野プロが月1ペースで発刊していたビデオマガジンです。今も続いているかもしれませんが、たぶんもう終わっているでしょう。私も1980円だった1年間だけ買っていました(それ以外の年は2980円)。
この「魚釣りからバス釣りへ」という題名はこのビデオマガジンのコンセプトを示しています。内容も下野プロの「バスフィッシング=ハンティング」という考え方が前面に出ているものでした。

実際に魚釣りとバスフィッシングでは何が違うのかというとバスという魚が普通の魚と違うための違いです。バスほどその行動が理論的に解明された魚は存在せず、さらに食性以外の要素でバイトする魚なのです。バスのその日の居場所や状態からより釣れる方法を推理し、実践し、結果を出すといった戦略性がバスフィッシングの醍醐味なのです。

私もこの考え方は非常に重要だと思い、小手先のテクでそこにいるバスを食わすいわゆる「魚釣り」的なことより、その日の王道パターンを探すことを考えて釣りをしています。王道パターンのバスはルアーに対してあまりセレクティブでなくルアーが目の前を通りさえすれば結果が出ると仮定し、魚を探すことに重きをおいて釣りをしてきました。
これは今考えても間違いとは思いませんし、この考え方を実践したおかげで「バスフィッシング」が上達したと思っています。

それからもう一つ食性以外の要素でバイトさせることについてですが、これも重要です。私は根っからのクランクベイト好きなのでリアクションの釣りは大好きなのですが、みなさんも最近のハードルアーブームで挑戦されている方も多いのではないでしょうか?。

この「FishingToBassing」の考え方は言葉の違いこそあれ、田辺プロの「パターンフィッシング」なども同様です(もちろん田辺プロの方が先にいっていることですが)。この考え方はアメリカの釣りを経験した人のほとんどが声高に謳っています。そう聞くとこの考え方は日本では通用しないようにも思えますが、そんなことはありません。
ただ日本のフィールドは小さいところが多く、バスの居場所や状態を推理しなくても全てのポイントを攻め切れてしまいがちです。このためパターンを煮詰める場合に状況から得られるヒントがぼやけてしまい戦略的な釣りを実践しづらいのは否めません。
このため私は野池のような小さなフィールドでなく、ある程度の規模の湖に好んで通っています(みなさんにも強くお勧めします)。

この考え方は近年のタックルの進化にも当てはまるのではないでしょうか。
ロッドの軽量化・高弾性化は感度upが目的です。ラインを細くすることはルアーの動きを自然に見せるためです。ルアーのダウンサイジングはスレた魚に口を使わせやすくするためです。
これらは全て「魚釣り」のための進化であって、「バスフィッシング」のための進化ではないように感じます。隣に居並ぶ誰かさんより魚を釣るためものであって、魚を探すためには逆に退化なのかもしれません。

魚を食わせる能力(魚釣り)とバスを探す能力(バスフィッシング)はハイエンドモデルと普及モデルの関係に例えることができると思います。
ハイエンドモデルの80%の性能を50%のコストで実現するのが普及モデル(廉価版)です。普及モデルに欠けている20%の性能を求めるようとすると50%のコストが必要です。魚を食わせる能力はこの20%の部分に相当するような気がしてならないのです。この部分はいくら努力して(コストをかけて)上達しても結果として表れるのは20%なのです。

我々バス釣り師が早く上達するためにまずやらなければならないのは、同じ努力で80%上達する「FishingToBassing」なのではないでしょうか?。



| ノウハウ | 12:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
つり博に行ってタックルを触っているうちに感じたことなんですが「今の流れで本当にいいの?」と思いました。
今年はあまり興味のあるものがなかったのでそんなにたくさんのタックルを触ったわけではありませんが、ロッドはどのメーカのものでも金太郎飴のように(全部同じように)軽くて高感度です。一昔前の竿を使っている人が触ったらカルチャーショックでしょう。
ただ目をつぶって各社のロッドを振って違いがわかる人は少ないと思います。そんなに差はないのに一部のメーカに人気が集中したりするのはデザインとかありますから良いと思いますが、どのメーカも高弾性素材に走っているっというのは問題だと思います。
高弾性素材のメリット・デメリットについては以前もコラムで書きました。投げにくいというのはまあ我慢できますが、折れやすいってのは許せません。初期不良率も高いでしょうし、ヘタリも早いです。高い金払っても長く使えません。中古なんて...言うに及ばずですね。

リールについてもそうです。
軽くするために錆に弱いマグネシウムを使い、軽さを維持して安くするためには樹脂まで使います。ダイワのフラッグシップモデルTD−Zの金属部分はマグネシウムですがベイトに至っては樹脂が使われています(スピニングは知りません)。TD−Zの廉価版スピニングリールであるイグニスのスプールは樹脂だし...

いくら質感ではシマノにかなわないからといってやりすぎだと感じるのは私だけではないでしょう。そのシマノも例外ではなくマグネシウムのモデルが多くラインナップしてきました。釣り道具が錆に弱いってどういうことでしょう。バス釣りでは海水は無縁だと考える人も多いでしょうが、流れ出しが海とつながっているようなところは濃度の違いこそあれ汽水です。ボラが泳いでいるところはまず汽水でしょう。そんなところではルアーのフックも錆びやすいです。
それにバスの血やヌメリが直接マグネシウムについたら...ボディまで達するような傷をつけなければ良いのでしょうが、そんなに気を使っていられないでしょう。あくまで道具なんですから(されど道具なんですけど)。

正直なところ今は本当に「これだ!」という道具がないです。この軽量化の流れが早く収まらないかと思っているのですが、なかなか収まりませんね。別の方向へ開発のベクトルを向けて欲しいですよ。「釣れる道具」へ向けて。
釣れる道具ってなんでしょうか。私はトータルバランスだと思います。

ロッドについては投げやすくするためにはブランクの重量もある程度必要ですし、感度を良くするには軽量ガイドを使ったニューガイドコンセプト、メタルコネクタ、コルクグリップなどもあるでしょう。適度なバランスでロッドを組み上げることが大事なのではないでしょうか。まあ理想はともかく今はベクトルがズレていることは間違いないと思います。
こう書くと「ロードランナーのこと言ってるの?」と思われるかもしれませんが、ある意味そうかもしれません。ロードランナーについてはベクトルは理想に近い方向を向いていると思います。ただ不十分です。ロードランナーの方向性で各社がシノギを削ってくれたらもっといい道具ができるのではないかと思います。
ちなみにロードランナーは無駄があると思います(飾り巻きや分厚いコーディングなど)。

リールについては剛性の高い金属のマシンカットワンピースボディやギアの精度もあまり取りざたされませんが重要です。軽さと飛距離(スプール回転)だけではありません。

リールもロッドもある程度質感を残さなければだめだと思います。愛着を持って長く使いたいからこそ高いものを買うのであって、その辺がどうでもよければ安物でも必要十分の性能は満足していますから。
今の流れは「軽くするためには何だってあり」で、折れやすいロッドでも樹脂のリールでもなんでもいいとさえ感じられます。

ただトータルバランスを追求した道具は現状では売れないのかもしれません。軽いことや感度がいいことはショップで触るだけでわかりますし、使っていても魚が釣れなくてもその違いを感じつづけることができます。ですがトータルバランスの良し悪しを感じることは難しいと思います。やはりカリスマ性を持った有名プロや某カリスマデザイナーがベクトルを正さないと商売としては難しいのかなとは思いますが...我々ユーザがメディアに踊らされることなく良い道具を見極められるようにならなければなりませんね。

P.S.
誤解のないように補足しますがメリットデメリットがわかっていて軽い道具を選択することは決して間違いではありませんし、否定もしません。私が言いたいのはほぼ全てのメーカが右へ習えのこの現状とメーカにそれをさせている我々ユーザに問題があるのではないかということです。



| 情報 | 12:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
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