みなさんロッドのガイドの素材、SICとゴールドサーメットの違いってご存知ですか?。どちらも富士工業の製品です。
ゴールドサーメットは今でこそ重いだのPEラインを使うと溝が入りやすいだのといったデメリットのみが取り沙汰されていますが、昔(デストロイヤが発売される前)は高級機にはゴールドサーメット、普及機にはSICが使われていました。 しかしメガバスがSIC+チタンフットの軽さを取り上げ、デストロイヤに搭載したことでポリシーを持たないメーカはこぞってSICになりました。さすがにトップのみゴールドサーメットという特殊なセッティングをあからさまに真似るメーカはありませんが、コスト的にも安く上がるので喜んでSICを使っているのではないでしょうか。 ゴールドサーメットとSICは何が違うのでしょうか?。 私が知っている範囲で性能を比較すると以下のようになります。 ●放熱性能 ラインとの摩擦熱を放熱する性能はゴールドサーメットの方が上です。確かSICの4倍だったと思います。ガイドとの摩擦熱でラインブレイクするようなことはよほど細いラインを使わない限り、ないことでしょうがラインの寿命に関係するかもしれません。まあSICクラスで十分といえばそれまででしょうけど。 ●硬さ 素材自体の硬さはSICの方が硬いです。ただ硬ければ良いと言うわけではありません。硬いと割れやすいということ、柔らかいとPEや傷入りフロロとの摩擦で溝が入ってしまうことがあり、一長一短です。 私は割れたことも溝が入ったこともありませんが...。 ●軽さ 冒頭で書いた通り、軽さはSICの方が上です。どのくらい違うかは...メガバスのカタログを参照してください。確か実測データが載っていたと思います。これについては体感できる違いがあります。 ●ラインのスベリ ラインのスベリはゴールドサーメットの方が上です。数値的にどのくらい違うかは知りませんが、その違いは体感できます。ただナイロンラインとフロロラインの違い(ナイロンの方がスベリが良いのでキャスト時にスムーズ)ほどはありません。 ●値段 ゴールドサーメットの方が高いです。具体的な金額は富士工業のHPに掲載されていますが、2倍くらいの金額です。このことから同価格帯のロッドでガイドが違った場合、ブランクやその他のパーツにシワ寄せがいくことは間違いないでしょう(利益率などメーカの体質も関係あるとは思いますが)。 上記のような性能を考慮した最適なガイドセッティングとはどのようなものなのでしょうか?。これは個人の好みによって変わってくると思います。 単純にSICかゴールドサーメットかといったことであれば、飛ばし屋さんなどのキャスト重視派はゴールドサーメットの方が良いでしょうし、ロッドの軽さ優先の操作性重視派はSICの方が良いでしょう。 ただもう少し深く適材適所を考えてみるとどうでしょう。 デストロイヤはトップのみゴールドサーメットを使っていますが、トップはスナップやルアーと接触することが多く、割れないようにするというのがそのタテマエだったと記憶しています。それは正しいのでしょうか?。 私的には重さが気になるティップ部こそ軽いSICを使い、ラインが暴れるバット部はラインのスベリを考えてゴールドサーメットを使うべきではないかと考えます。具体的にはLSG(ティップ部に使われる足の低いガイド)をSICにLNSG(バット部の2本足ガイド)、UNSG(ロッドによってLSGとLNSGの間に使われることがある1本足のガイド)、YSG(スピニングのバット部用ガイド)をゴールドサーメットにしたら良いと思います。 このセッティングがデザイン的に許されるかはわかりませんが、性能だけを考えればこのように思う人も多いのではないでしょうか?。 ですから私にはメガバスが性能最優先で採用したガイドセッティングではなく、実際にはコストを抑えるためにSICをメインに使っているよう思えるのですが、如何でしょうか?。ただそれも正解の一つでしょうけどね。 話が少し逸れましたがみなさんもロッドを購入するとき、ガイドについても思いを巡らすと、またロッド選択が楽しく(辛く?)なりますので是非!。
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