メディアによく露出しているメガバスの社長兼デザイナ伊東由樹氏の発言をみなさんも見聞きする機会が多くあると思いますが、コピー商品に対してバッシングが目に付きます。この釣具の世界において何をもってコピー商品といえるのでしょうか?伊東由樹氏にはその辺の線引きができているのでしょうか?
もちろん人気商品から型を取り、見せかけをまんまパクった商品は言うに及ばずですが、内部構造やコンセプトについては何がコピーで何がコピーではないというのは難しいでしょう。 実際、ルアーの世界においては確立されたカテゴリがあります。クランクベイトやペンシルベイトといったカテゴリについても一番最初に出たルアーがあり、後発の全てのルアーはそのコピーといえばそれまでです。内部構造の重心移動についてもメガバスがやり始めたことではありません(これはコピーではないんでしょうか?)。 カラーについてはその傾向がさらに強いです。ゴーストアユやキンクロ、マットタイガー、ハチローはもちろん、新色のYMCやグリッターシャッドなどメガバスが後出しの他社との類似カラーが多数あります。それでもメガバスはそんなカラーも独自の名前を付け、さもオリジナルといわんばかりです(言ってみればネーミングオリジナルでしょうけど)。 先日読んだ某誌の記事の中にシュリンプカラーについてのくだりがありました。それには「各社がそれぞれ追求して同じ結果にたどり着いた」ように書いてあります。しかしどう考えてもリップにハサミを描いたシュリンプカラーについてはスミスが1年前に先行しています。エバグリとメガバスは1年後です。 メガバスについてはより生々しくザリガニを表現していて他のメーカと比較すると抜きん出ているかもしれませんが、リップにハサミを描く塗装はスミスが去年からハスティーに塗っています。 外から見たら明らかにメガバスがパクリに見えますが、自社がパクっていると思われそうなところは上記のように苦しい言い訳をしています。仮にその言い訳が本当だとしても外から見たらパクリに見えるんですよ。伊東由樹氏にパクリに見える他社ルアーと同じように我々にもメガバスがパクっているように見えるんです。 そんなにパクリが許せないなら自社研究の結果であっても他社が先に塗った色は出さないようにし、また形状も似たものにしてはならないんではないでしょうか? 私が特に気になるのはMR−Xのリップの付け根がDUELのハードコアシリーズのフリクションリップそっくりなことと(そこを叩かれたかどうか知りませんが、今年リップを変更するそうですが...)、POPMAXの目がDUOのクランクそっくりなことです。 多かれ少なかれ形状が似通ってきてしまうのは否めないと思います。カラーについても言うに及ばずです。私的にはその辺は指摘せず許しあったらどうかと思うのです。DEEP-X200(T)の多目的重心移動には感動しましたし、コアユの慣性バランサーPart.2は最高です。何も言わなくても誰も伊東由樹氏がパクリをするとは思いません。逆に伊東由樹氏がパクリ発言をすると他社の偶然似てしまったものはパクリと思われてしまいます。 人気ルアーの型を取った、まんまパクリの格安ルアーであっても、オリジナルがその価格で豊富に流通させればコピーを買う人はいないでしょう。業界トップメーカであるメガバスには「安く豊富に提供できない自分たちが悪い」と考えるくらいの余裕が欲しいと私は思うのですが...伊藤由樹氏のデザインや発想がすばらしいのは周知の事実なんですから。
| タックル::ルアー | 12:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
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